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#11

36°39'11"N 137°40'52"E

黒部峡谷下ノ廊下(富山県,日本)

石の手触りは角やざらつきが皮膚に刺ささり、岩盤から弾き出されたものだと感じられる。石は黒部峡谷の下廊下を通る道で見つけた。現在は「旧日電歩道」又は「水平歩道」と呼ばれている。ここは1920年(大正9年)日電が水力発電用ダムを建設することを計画し、調査を目的とし開通した場所だ。 坑夫は立ちはだかる岩盤を削り出し、欠片を落とし、道にしていく。削り取られ出来た石は時間をかけ転がり続け、川へと落ちて丸みを帯びていく。その工程を歩んでいた石だ。

採取者

FUJIMOTO. Mari
藤本真理

1992年、広島県出身 京都精華大学卒業。 土地の気風や空間と関わりあう境界を探る。 展示では主に映像、インスタレーションなどの形式で発表している。

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